実務修習が楽しい
私は、刑裁(刑事裁判)から始まりました。
まだ2日目が終わったところですが、楽しいです。
・今までだったら入れなかったような位置で、傍聴できる。受かって良かった。
・裁判官も、修習生を法曹として送り出すために色々考えてくれているのがわかる。ありがたい。ご厚意がめちゃくちゃ嬉しい。
・手続には全て意味があって、興味深い。
これだけの話なのですが、本当に受かって良かったと思います。
3回目受験なので、ローで実務家教員からお聞きしたお話も
かなり忘れてはいるのですが、役に立ったりもしています。
なんというか、社会に置いていかれていないというか
良い意味で、社会の歯車になっていくのだなあという安心感があります。
受験生の時点では、どんどん世の中から置いていかれる感じがして
とても寂しかったし、不安だったのを覚えています。
それもあって、バイトに傾倒したんだなあと今更ながら思います。
修習をしていて、3回目合格だからこそ感じ入ることも多いのかなあと
同じグループの人を見ていて思います。
法廷に入るにしても、「法廷傍聴はしたことあるし」というスタンスなのか
「机の上に六法広げてメモ取れる状態で傍聴できるなんて!」というスタンスなのかで
吸収できることも変わる気がする…。
少なくとも、同じ部に配属された人の中では私が一番修習楽しんでいると思う!
全力で楽しむぞい!
このブログを読んでらっしゃる方には、受験生が多いと思います。
私は修習生を全力で楽しむし、受験生の方のモチベーションになるよう
その楽しさもブログには書いていこうと思います。
今年、受験される方は、そろそろ焦りが生じたりしているとは思います。
私も5月10日くらいまで、憲法に文字通り泣かされながら勉強していました。
危機感をもちつつも、希望を持って、
試験前日〜最終日までどう過ごせたら受かるかというのを具体的にイメージして
そこから逆算して勉強をしてください。
今年もがんばりましょー!
要件頭出しとか、問題提起とか
要件頭出しは、どうせまた後で書くんだから二度手間で、無駄だなーと思うことが多いですね。
そして、無駄なこと書いても、全部書ききることができるなら良いのですが、大抵の答案は、無駄なこと書いている時間はないんですよね。
とりあえず忘れてそうで、書かなきゃ不安、という方は、構成用紙にちゃんと書いてチェックすれば良いと思います。
問題提起に関しては、3パターンの答案があります。
①問題提起全くなし
②無駄な問題提起
③適切な問題提起
②が8割、①が1割、③が1割もいないという印象です。
適切な問題提起がされていたら、その時点で「あ、こいつはわかってる」と思います。
抽象的にいうと、法律の解釈が問われている試験なので、文言解釈の話だということを示せていたら良いと思います。
こういう事情(具体的な事実)があるけど、この要件にあたるか(結果の妥当性を考えるとあたると言いたいが厳しいのではないかパターンor文言通りやとあたってもおかしくなさそうだけど、結果の妥当性を考えると、そうではないと言いたいパターン)ということを表現したいのであって、「俺はこの論点だって知ってるぜ!デデーン!」っていうのは要らないのです。
また、 問題文の書き写しになるくらいならば要らないと思います。
適法性を論ぜよ系の問題は、「〜という点が、○条(あるいは基本原則)に反しないか」という感じで書いてました。
最初に、問題となる条文が示されているだけでめっちゃ読みやすくなります。
結局何条に反して違法っていう話をしているのかがわからない答案、結構あります。
わざわざブログにしたものの、大して書くことありませんでした!
てへぺろ!
冷え込みますので、特に、受験生の皆様は、お体にお気をつけ下さいませ。
事例で考える会社法を解いた際のノートが出て来たので、捨てる前に写メをあげることにした
3月ですね。
1日に4問ずつしていたみたいです。
こんな感じで
①とりあえず書く
②修正は赤
③書かなくてもいいけど、整理するために書くことについては紺
とかで色分けしていた気がします。
ご参考までに。
正確な知識とは?
https://twitter.com/nodahayato/status/934341495334637568
こんな話題が出ていました。
民法は範囲も広く、体系的な理解が必要で「民法の基礎がなってない、ならどうしたらいいんや!!!」と思う分野でもあります。
刑訴の伝聞がわからない、とかなら絶望感はないんですよ。今は理解できてなくても、そこさえ理解すれば書けるから。
でも「民法の基本的知識がない」と言われたら!!言われたら、つらい!!!
何からしたらええんや、どこからしたらええんや!!!ってなる!!!
そんなわけで、、私も大してアレなのですが、私の民法の勉強法を思い出しながら書こうと思います。
①基本的に演習はせず、通読していた
基本書読むのが好きで「民法の基礎」は4回くらいは通読したかと思います。ローの時も合わせたら7回くらいになるんかな。
あとは、類型別、新問研、大島本(1冊のやつ)をぐるぐる回していました。
あと30講にも手を出しました。が目新しいことはなかったので、まあそんなやったかなあという感じです。
受験生皆が書けるものは書けるようにしよう、という意識でした。
②要件事実は意識していた
だけど、例えば表見法理ではなぜ、94条2項と110条で要件事実が変わるのか、110と109で違うのか…ということを理解してようにしていました。
不当利得での「損失」概念、不法行為での「損害」論は意識して、事実を摘示するようにしていました。
③過去問は解いた
問題文の事実を余すことなく使うのが目標でした
④百選も読んだ
これは回しました。前にも書いたようなやりかたで。
⑤ロープラ
直前に目次を見て「書き方わからんかも」ものを書いてみる
→解説を読む
→赤ペンで自己添削
を3冊ともしたのかな?
でも、案外少なくて楽な作業でした。
私は特に民法は頑張っていなくて(去年Bやったから)参考にならないのかもしれませんが、こんなもんです。
ただ、全科目に共通してですが「あ、この事案の規範わからん!!」ってなったときは、条文の趣旨書いて、あてはめに使いやすそうな規範でっちあげて、三段論法は崩れないようにする、という訓練をしている意識はありました。
そのためには、条文の趣旨は理解して、覚えておくのは最低限の勉強やとは思っていました。
商法なんかは苦手やったので、オレンジの演習本を3回やったり、ロープラ2回書いたりしました。
民法の理解の程度も人それぞれやと思うので、やるべきことは違うと思います。
この間お会いした受験生の方には
①ロープラ書く→自己添削する、覚える
②過去問解く→他人に添削してもらう
ということをオススメしました。
ロープラは、基本を押さえるには良いと思います…!3周もすれば力着くよ!!
そこは皆が書けるはずだから、書けないとあかんし、「全部」書けたらこわいものなし。
だと思います笑
受かるにはどれくらいの教材を理解すれば良いのか、何を覚えていたらいいのか、そんなことを考えながら勉強計画を組み立てていったら良いと思います!
修習に持って行こうと考えているもの
着る毛布
ドライヤー
スリッパ
ケトル
加湿器
印鑑
薬
メガネ
コンタクトレンズのケース、液(詰め替え
化粧水、乳液(コットン+ジップロック
化粧落としシート+リップクリーム
洗顔料
化粧品
シャンプー
ボディスクラブ
歯ブラシ
パンツ
勉強道具
お酒
酒器
名札10個くらい、マジック
おつまみ
お茶
靴
スーツ
トイレットペーパー(2個くらいか
パイプユニッシュ(現地調達か
洗濯洗剤(ジップロック
つっかえ棒、ハンガー
プロテイン+シェイカー
コーヒーメーカー
コーヒー用コップ
こんなものでしょうか…。
3週間だとコーヒーメーカーを持っていくか迷う…
2週間なら、ドリップ買うんだけど…
追記
延長コードはいるかしら…1mくらいのん持って行った方が良いかもしれない。
他人に添削を頼むとき・ゼミをするときに最低限すべきこと
①自分の答案と趣旨実感を見比べて、落とした論点を確認する。足りていないキーワードを確認する。理解自体足らないところは確認する。
②あやふやな判例や定義は中身を確認する。判例は、百選を読む。
③なぜグダグダしたのかを分析する。
規範を導くための要素の整理ができてなかったのか、それとも要素自体が十分頭になかったのか。
④法律論と、あてはめのバランスを確認する。
1:3くらいにはしたい。刑訴なんかだと、1:10くらいにしたいですよね。
これらを、添削やゼミに持ち込む前に、答案に赤ペンとかで書き込むべきやと思うんですよね。
①については、私は、「設問1」とかの横に、「△ (落とした論点)」と書いてました。
ゼミとかで「これ書いてないよね?」から入って、理解しているか確認する作業ってほんまに無駄じゃないですか?
あれ嫌い過ぎて。
ゼミの参加者としては、少なくとも何が足らなかったのか確認して、そこについて理解しようとして、なおわからないところがあれば、ゼミに持ち込むべきやと思うんですよね。
それと一緒で、添削するときにも、相手が「あれ?これ書いてないけど、ちゃんと復習したかなあ?説明せなあかんのかなあ?」と思わせるのは嫌やなあ思って書いてました。
後輩の添削していて、それしてもらうように言ったら、ちゃんと復習できるようになった言ってました。
②に関しては、赤ペンで二重線引いて、修正です。
③は、表を作るなり何なりする。
こっちの結論を出す場合はこの考えを重視していて、反対の場合には、こういう考えを重視している…とかそういうのです。
これはゼミをするための材料なので、必ずしも答案にメモする必要はないとは思うのですが、メモしている方が議論はしやすいですよね。
この復習をすることで「規範はうろ覚えorわからない、けど、法の趣旨なんかは覚えてる」というときの現場思考がしやすくなる気がします。
それがちゃんとできると、知らない論点の問題でも、三段論法を崩さずに書けるんですよね。
具体例がぱっと浮かばないので、わかりづらいとは思いますが…。
④に関しては、長過ぎた規範の横に「長い」って自分で書いておくんですよね。
そうすると、どこが削れるんじゃないかということを指摘しやすいので良いかと思います。
「正解なんだけど、丁寧すぎて長い規範」の指摘って難しいんですよね。
「わざわざ言わなくてもいいかな?」という気持ちになるので、「長い」と自分で言ってたら指摘しやすいです。
これらのことが書かれていると、添削するときの迷いがなくて、時間も短縮なりますし、より添削してもらいやすくなる気がします。
趣旨実感だけではよくわからない、というときには、辰巳のLIVE本を参照すると良いと思います。
悲しいかな、趣旨実感がそもそも何言ってるかわかれへんということ、結構ありました。
LIVE本は、学者が書いてるだけあって、大体、実際の試験では書けないことも多いのですが、その分解説は丁寧です。
私は過去問解くときは
①書く(2h
②趣旨実感を読み、過不足をチェックする(0.5h
③基本書・百選・LIVE本をチェックして、答案に書き込む(0.5h
④添削してもらう人に送るorゼミの人の答案を趣旨実感並べて読む(0.5h
という感じでした。
ご参考までに。
行政法の答案添削
後輩の答案添削していて、「行政法あるある」なあかんポイント3つについて、気になったので書いていきますね。
27年、29年なんかに共通してるんかな。
まあよく聞かれてるポイントなので、それだけ受験生ができてないんじゃないかと思います。知らんけども。
トライアンドエラーで行政法の点数をあげた一合格者の戯言やと思ってどうぞ。
①差止、義務付け訴訟の「一定の処分」が特定されていない。
処分の特定ってどうするんでしょう?
自分が裁判官やったら、主体、客体、行為、条文は絶対示して欲しいですよね…?
でも、主体や条文を示してない答案めっちゃ多いです。
Y市が、Xに対して、〜法〜条の命令として、本件柵の撤去を命ずるべきなのか…
書いてなくても受かってる答案いっぱいありますけど、私は、上記4つの要素は特定に必要不可欠やと思います。
これ書いてなくて、何で審判対象として特定してるって言えるんやろなと思います。
②裁量の有無は指摘してるけど、広狭は指摘してない。
有無は、当然問われてるとわかっていて皆書くのですが、裁量の有無に触れたからには広狭に触れずに解答を展開できないことになっているはずなんですよ。
裁量の有無の後は、広狭を検討しましょう。ここまではワンセットやと思って。
③裁量の趣旨がよくわかってない
〜を制約することによって(被制約利益の認定)、〜を保護することにある(趣旨の認定)、みたいな感じで書けば良いかと思います。
27年やったら、9条1項但書の趣旨は、保安物件の所有者の財産権を保護することにある、と書けば良いのではないかと。
多分ね。
制約すること自体が趣旨ではないんですよ。
多分この3つて、受験生もどう書いたらいいかわからないところなのではないかと思います。
めっちゃ優秀な人は多分ちゃんとしていると思うのですが…。
私自身そもそも書き方わからない→迷うから時間がかかる→すっきり書けない→個別法の解釈の時間もない…という悪循環でした。
こういうこと書いたらええんや!っていう信念もって書くだけでも変わると思います。
受験生の方はその辺意識してみてくださいませ。